韓国の金大中大統領が昨年の米大統領選で、民主党のゴア前副大統領を密かに支援していたことが判明、ブッシュ政権が不快感を強めている模様だ。金大統領は北朝鮮に冷淡な共和党政権よりも、民主党政権が引き続き政権を担当し、北朝鮮への関与政策を継続することを切望。三百万人に上る在米韓国人社会の幹部らにゴア氏への支持を働き掛けたという。多くの韓国人団体が民主党陣営に多額の献金をしており、違法献金疑惑が浮上する可能性もある。 金大統領の秘密工作は結局、共和党側に察知され、裏目に出た。当面、米韓首脳会談の開催が焦点だが、ブッシュ政権は開催を先送りしたい意向で、米韓関係は疎遠になりそうだ。米政府筋によれば、ブッシュ政権は今後半年かけて対北朝鮮政策の見直しを進める予定で、米朝対話の停滞は必至だ。 今年の韓国は経済停滞や労働争議が予想される内憂の年で、日米の協力なしに北朝鮮を支えるのは困難。韓国が頼りにする対北柔軟派のカートマン朝鮮半島和平担当大使も近く更迭される見通しで、米朝関係は振り出しに戻る。ワシントンでは、大統領選の結果に最もショックを受けたのは金大統領といわれている。

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