ロシアのメディア王でプーチン大統領と激しく対立するグシンスキー氏が、イスラエルに亡命する可能性が取り沙汰されている。 ユダヤ人の同氏はロシアからの国際手配によってスペインで身柄を拘束され、現在は保釈されて同国に滞在中。ロシアに戻れば、政治色が濃い刑事訴追は免れないため、再起のためにイスラエル移住を検討しているという。 イスラエルのバラク前首相も最近、ドイツのメディアに対して、グシンスキー氏受け入れの明確な意向を示していた。スペイン政府がロシア政府の引き渡し要求を拒否すれば移住実現の公算が高い。 グシンスキー氏が所有するロシアの独立テレビに対しては、米CNNテレビの創始者ターナー氏が株式買収に動いていた。国営化を免れる可能性があり、旧ソ連型のメディア統制を進めるプーチン大統領の意向に反して、独立した報道機関としての基盤を確保する道を模索している。 巨大な富を築いたグシンスキー氏が、ロシアからイスラエルに移住した多数のユダヤ人やロシアに残るユダヤ人への影響力を行使して、国外からプーチン大統領に挑む局面も予想される。

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