キューバのカストロ国家評議会議長(七四)も、さすがに寄る年波には勝てないのか、最近は体力の衰えに加え記憶力の減退が目立ち、早ければ年内にも実弟のラウル・カストロ国家評議会第一副議長にバトンタッチするのではないかとの観測が浮上している。 ハバナの消息筋が同議長老化の端的な例と指摘するのは、今年一月一日のキューバ解放記念日で恒例の演説をしなかったこと。毎年、同記念日に得意のカストロ節を聞かせていたことからすれば、体力的に長時間の演説は無理と見るのが自然。 もっと深刻なのは記憶力の低下で、「人や事物の名前を間違えるのはしょっちゅう。昨年暮れのプーチン・ロシア大統領のハバナ訪問の際、公式行事で『エリツィン』と言って、周囲をあわてさせた」(ハバナの外交筋)という。ラウル第一副議長のたっての願いで、近く脳の精密検査を受けることに同意したといわれるが、アルツハイマー症の疑いもあるようだ。「検査結果次第では、来年一月の解放記念日までにラウル氏に実質的な指導をゆだね、本人は何かの名誉職に就くこともあり得る」(同外交筋)との説も出ている。

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