米国で秘密のベールを脱いだ最新鋭のネットワークセキュリティープログラムが、関係者を震撼させている。このプログラムは、防衛機器メーカー「レイセオン社」が軍事技術専門家を総動員して作成したとされる「サイレントランナー」だ。組織内部の防衛が最大の売りという。同プログラムを使えば、組織内のネットワーク上の全てを監視することができる。例えば、個々の従業員がネット上でどんなことをしているか、どんなワープロソフトで誰と一緒に作業をしているかも分かってしまうという。同社は冷戦終結による業績の悪化から起死回生を図るべく、同プログラムを一般市場で売りに出した。治安筋は「まさにトップレベルの軍事用プログラム」と称賛する一方で、「一般市場に浸透することは、プライバシー上、極めて深刻な問題をはらんでいる」と指摘する。 犯罪捜査部門や一般企業などで、同プログラムを導入しているクライアントは、数百に上るとされるが、プライバシー問題を懸念してか、ほとんどの組織が同プログラムの導入の事実を伏せているという。すでに、日本企業の中にも導入を検討する動きが出始めている。われわれ日本人も同社のプログラムで監視されることになりそうだ。

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