次期首相は「経済の戒厳令」敷け

執筆者:小暮史章2001年4月号

日本経済の本当の姿を曖昧にしたままの経済政策論争に何の意味があろうか。不良債権にメスが入れば、闇の勢力や企業倒産の問題が必ず吹き出す。甘言はいらない。いま求められるのは、混乱に対処する強力な指導力なのである。 解党前の最後の光芒と言うべきだろうか。自民党の総裁選で、経済政策をめぐる論争が白熱している。ある総合商社のエコノミストに言わせれば、最近の光景は次のような戯画になる。場所は名門食堂、自民党。お品書きは四人の総裁候補ほかのお国自慢など、注目の料理人たちお薦めの一品である。 ――最初に店内に匂い始めたのは、確か三年前にも食べたことのある「岡山風カツ丼」である。あの時は、金融の連鎖破綻という油に当たって死にそうになった。今ではさらに体力が落ちている客にとって食欲が萎えてしまう代物なのだが、食堂のほうはお構いなしらしい。 それに比べると、「横須賀風変人カレー」はちょっと食欲をそそられる。何しろ料理人が「俺のカレーは辛いぞ。嫌なら食うな」と言っている。温め直しの「冷めたピザ」や、おかずのない「神の国弁当」を食べさせられてきた客としては惹かれるが、食堂のオーナーたちは「あんなカレーは店の名折れだ」という。

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