政治資金疑惑をめぐる弾劾要求の高まりで窮地に立たされているインドネシアのワヒド大統領の振る舞いが、自暴自棄的になってきたとの見方がもっぱらだ。 ジャカルタの外交筋によると、ワヒド大統領は二月から三月にかけ中東・アフリカ諸国を訪問し、帰国後二週間も経たないうちに、「どこかに外遊したいので、しかるべき訪問国と目的を探してくれ」と命じ、側近をあわてさせた。 この話を伝え聞いたプリヤディ蔵相が国家財政が逼迫している状況を説明、外遊を控えるよう直訴。大統領はその場では「これからは節約に努めよう」と約束したものの、後で側近らに「外国訪問がなぜ悪い。乱費ではない。蔵相は理解していない」と当たり散らしたという。 ポスト・ワヒドで大統領昇格が確実視されるメガワティ副大統領の話になると、極端に不機嫌になり、四月初めのアクバル国会議長らとの非公式会合でも「彼女には統治能力はない」などと公然と批判し、周囲を驚かせた。 同外交筋は「これほど露骨なメガワティ批判は初めてで、いつ辞めてもいいとやけっぱちになっているのでは」と語っている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。