NTTが怯えるインターネット電話

執筆者:2001年4月号

 東京電力系のTTNetなど電力系新電電十社を糾合して全国一貫のデータ通信、IPサービスの提供を始めるPNJコミュニケーションズ(PNJ-C)の動きにNTTグループが神経を尖らせている。PNJ-Cは表向き企業向けサービスを事業の中核に据えているが、最終的な狙いは「インターネット(IP)電話によるNTTの電話サービスの打倒」にあるとNTT関係者は見ているからだ。つい四、五年前まではIP電話は音声品質の低いキワモノ商品の扱いだったが、技術の向上で通常の電話回線を使った電話と変わらない品質を持つようになった。 IP電話サービスでは、フュージョン・コミュニケーションズが四月一日から全国一律三分二十円のサービスを開始している。PNJ-CもNTT地域会社を下回る市内料金とIP電話による低価格の長距離を組み合わせ、NTTのシェアを侵食する考えだ。IP電話は企業ユーザーにとって、構内交換機をルーターに変えることなどで、初期コストが五分の一以下で済むメリットもあり、大きな潜在ニーズがある。旧来の通信設備の利用にこだわるNTTは、PNJ-Cによってさらに追い込まれる可能性がある。

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