北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏の身柄拘束劇の背景に、英国の情報機関が深く関与していたことが、明らかになった。 治安筋によると、身柄拘束に直接つながる情報をつかんでいたのは英国のMI6で、日本側には公安調査庁に伝えられたという。「英国側との人的なつながりによるもので、リストラ官庁のトップに挙げられてきた同庁にとって、大金星」(政府筋)。 同庁は、入管当局と身柄拘束に向けた極秘オペレーションを始めた。 治安筋は、「同庁は英国側から、『金正男』の最新の写真なども事前に入手。綿密な計画の下で、男性の身柄を拘束した」と解説する。 入管当局としては、日本国内での司法手続を進める意向だったが、政治的配慮から外交当局が国外退去を主張。意外にも警察当局も同調したとされる。 警察当局は、「危険人物」は手元にとどめないという、対テロ政策の筋論を主張したとされるが、公安調査庁との確執を指摘する向きもある。身柄拘束騒動は、政治的に沈静化されたが、治安筋は、「北の後継者問題とも絡んで、今後の動向が重要だ」と警告している。

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