中国軍当局は海南島に緊急着陸した米軍の電子偵察機EP-3を徹底分析したが、今回の作業を通じて、中国軍は「電子諜報能力面で五年から十年間分の進歩を得た」と米国の軍事当局筋は分析している。 機体の点検に当った中国軍関係者は、EP-3機内の電子装置が嫌う埃を除去する吸塵器、周囲数十キロにわたって電波を傍受できる新鋭アンテナ装置、軍事目的外で使用する携帯電話装置など米軍の装備に「感嘆の声を上げた」と言われている。ただし、焦点の着陸までと着陸してから中国軍が突入してくるまでの約三十五分間に米軍の乗員が破壊し切れなかったデータ類までは「中国軍は解析できなかった」と見られる。 一方、EP-3機が海南島の陵水空軍基地飛行場に着陸した際には、同基地内の地上配備のミサイル類はすべて同機に照準を合わせ、万が一、米機が着陸後に離陸しようとした場合は撃墜する指示が出されていたという。米機の緊急着陸以降には、人民解放軍三軍全軍に「第一級厳戒態勢」に突入する緊急指令が発動されている。これは一線兵士が全員、戦闘態勢に入れる状態を保つことで、軍内に非常に強い緊張が走ったことを窺わせる。

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