来年の第十六回中国共産党大会に向け江沢民国家主席(党総書記)の権威確立の動きが本格化しているのとは裏腹に、最近、同主席の身内の“不祥事”が相次いで露呈、党指導部内の反対派を勢い付かせているようだ。 香港の消息筋によれば、江蘇省に住む江主席の妹の息子が地元銀行から借りた二億円近い金の返済ができず、印鑑を偽造して香港の不動産業者の家を勝手に抵当にしていた疑いが浮上した。 江主席は当初、何とか穏便にコトを収めようとしたものの、マスコミにこの話が流れたため、「公正な調査を指示せざるを得なくなった」(同筋)といわれる。 また、五月上旬、江主席の長男の江綿恒氏が密かに台湾を訪れ、陳水扁総統と会っていたことが、一部台湾のマスコミを通じて明らかにされた。 この極秘訪問は、江主席の許可を得ていない江綿恒氏の独断専行によるものとの見方が有力で、主席は激怒したと伝えられる。 党指導部内の反江沢民派はこれらの“不祥事”を江主席の権威確立を食い止める絶好の材料とみて、追及する構えだという。

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