金正日総書記の長男で、日本に不法入国しようとして強制出国となった金正男氏は、今も出国先の中国に留まっている可能性が高い。すでに滞在期間は一カ月以上に及び、日本で果たせなかったディズニーランド見物の代わりとばかりに、中国当局の護衛付きで北京観光を楽しんでいるというのだ。「正男氏は総書記の後継者に決まっており、今や軍の秘密警察である保衛司令部の責任者でもある。北朝鮮に戻って父親に怒られるとか、何か処分を受けることは考えられない。日本で恥をかいたということで、北京で豪遊しながらほとぼりが冷めるのを待っているだけ」(情報筋)。 不法入国が発覚した際、一部では「亡命説」も流れたが、保衛司令部という最重要機関を掌握した正男氏の立場を考えれば有り得ない、と情報筋は否定する。むしろ、秘密警察のトップが不在の今、北朝鮮国内の混乱が懸念されるというのだ。 一方、正男氏は妻子ら四名で日本への入国を試みたとされるが、他にも数名の護衛がいたとの説がある。そうだとすれば、日本の当局が彼らを見逃したのが意図的だったかどうかは別にして、本国での処分を恐れ日本に留まっている可能性もある。

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