上院議員となったヒラリー夫人がブッシュ大統領の政策に対する反対世論を主導する。そんな見方がワシントンで浮上している。あるシンクタンク関係者によると、クリントン政権の交代後、スターを生み出せない民主党が、ヒラリー上院議員を押し立ててブッシュ大統領を正面攻撃する計画を練っているという。 この民主党の戦略は、五月二十五日、ワシントンの民主党上院議員委員会がヒラリー夫人を招待し、ブッシュ大統領が推進する政策を辛辣に批判する場を提供したことでもよくわかる。ヒラリー上院議員は、ブッシュ大統領の掲げる大型減税、エネルギー政策をはじめ、教育、堕胎など、あらゆる分野にわたって政策を一つ一つ批判し、民主党員から盛大な拍手を浴び、熱烈に支持された。 委員会の聴衆の一人は、「女性上院議員十三人中で最も新参だが、ヒラリー夫人の知名度は高く、そのうえホワイトハウスの弱点を最もよく知っている。必ず民主党のスターとして浮上する」という。二〇〇四年にブッシュ大統領が再選に挑む場合、特別な問題がない限り、ヒラリー上院議員が民主党の大統領候補となるムードが名実ともに出来あがりつつあるようだ。

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