八月一日からの開催が決まった国民協議会特別総会での弾劾が確実視されているインドネシアのワヒド大統領の政治生命に関して、次期大統領に最有力視されているメガワティ副大統領が「全ての政治混乱は八月十七日の独立記念日までに決着する。それまで冷静に事態の推移を国民は見守っていてほしい」と発言、ワヒド大統領が八月には交代するとの見方を初めて明らかにした。 かつては「兄妹」の仲で、民主化実現のための良きパートナーだったワヒド・メガワティの正副大統領コンビだが、最近は副大統領への事前の相談も連絡もなく大統領が閣僚交代を一方的に発表し、これに反発した副大統領が閣議を欠席したり、国際会議開会式で大統領の挨拶代読を副大統領が公然と拒否するなど、蜜月関係は深刻な対立関係となり、破局は決定的といわれている。 ワヒド大統領は国権の最高機関である国民協議会での弾劾審議を無視し、非常事態宣言などで強行突破する姿勢を崩していない。しかし、国軍、警察は完全にメガワティ支持にシフトしており、非常事態宣言を布告しても治安組織が応じず、実質的に機能する可能性は限りなくゼロに近くなっている。

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