検証・竹中コネクション

執筆者:2001年7月号

 恃むもののないところから自らの実力で道を切り開いてきた竹中には、自身と同じく「自力で自分の道を切り開いていった人」との関係が目立つ。 親しい財界人として名前が挙がるのも、日本マクドナルドの藤田田社長、樋口廣太郎アサヒビール名誉会長、孫正義ソフトバンク社長など。藤田社長は、東大法学部卒ながら自ら商売を始め、デフレ時代の勝ち組企業を作り上げた人物だが、財界活動は意図的に遠ざけてきた。竹中は大臣就任まで藤田氏が所有するフジタ未来経営研究所の理事長を兼務している。経済戦略会議議長だった樋口は経団連副会長の経歴も持つが、もともとは住銀から斜陽のアサヒビールに転じてスーパードライを大ヒットさせたのが功績。孫社長とは昨年夏に、竹中が理事長を務めていた東京財団などが主催した「インターネット国際会議」を共に手掛け、当時の森喜朗首相にIT戦略の提言を持っていった経緯がある。 学者・エコノミストでは、香西泰には、東京財団の「インテレクチュアル・キャビネット」のリーダーを頼んでおり(竹中はサブ・リーダー)敬意がうかがえるが、最も関係が深いのは加藤寛千葉商科大学学長だろう。竹中は大臣就任に際し、加藤の助言を求めたという。その他、経済戦略会議の委員を共に務めた伊蔵元重、中谷巌の両氏を始め、いわゆる「構造改革派」の学者たちとは意を共にする関係だ。また、竹中は、学者、政・官界関係者、シンクタンクの研究者、マスコミ関係者などからなる「政策分析ネットワーク」(事務局は東京財団内)の代表も務めており、近年は政策研究者たちの「扇の要」のような存在になっている。

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