参院選で自民党が復調する気配が濃厚になってきた。“抵抗勢力”の拡大も見込まれる。「改革をつぶすなら、私が自民をぶっつぶす」――その発言の裏にある首相の戦略とは。 小泉純一郎首相は、今回の参院選に向けた全国街頭遊説を、神戸と大阪からスタートした。公示四日前の七月八日のことだ。演説は明らかに、参院選後の「小泉改革」本番に向けた“闘争宣言”だった。「『小泉は参院選で用が終わった。あとの小泉の改革はつぶしてしまえ』と、もしも自民党議員がそんなことを考えたら、私が自民党をぶっつぶす」「こうして共に街頭演説に立った○○(候補の名前)さんが、もしも当選して小泉内閣の方針に反することをしたら、私が自民党から足を引っ張られるんじゃない。私の方が自民党をぶち壊しますから、心配しないで下さい」 政党政治のもと、最大の敵は野党であるはずの参院選で、小泉首相が最も闘志をたぎらせている相手は、自民党内の“抵抗勢力”だ。 むろん、党内で戦うには、まず与党として参院議席全体の過半数(今回は百二十四議席)を維持するため、選挙で勝ち、自民、公明、保守の三党で六十三議席以上を獲得しなければならない。今回の参院選は、国民が小泉改革を支持するかどうかの指標となるからだ。

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