ロシアのエンジン「NK33」を米エアロジェット社で改良し、一段目は米国のアトラスIIIのタンク、二段目は日本製という「JII」ロケットが生まれる。 六月末設立された「株式会社ギャラクシーエクスプレス」(北村幸雄社長)の社名は「銀河鉄道999」にちなんでいる。 出資者は、日産の航空事業を吸収しロケット事業に意欲を燃やす石川島播磨重工業、宇宙ビジネスで物流・販売を握ろうとする三菱商事、それに川崎重工、富士重工、日本航空電子工業、東芝、ロッキード・マーチンなどが加わる。 これは、三菱重工に牛耳られる国内市場に対抗勢力として参入するだけでなく、さらに世界的に穴場となっている通信用中型・小型衛星の打上げ需要を「ジャパン・イニシアティブ」で獲得する狙いがある。 射場も、当初は種子島だが、将来的にはコストパフォーマンスのいい赤道直下のクリスマス島(ジャワ島の南)に打上げ基地を建設する計画という。政治家や経産省の官僚が、民間主導のこのプロジェクトにどう絡むか。高速大容量の通信時代をにらんで、宇宙ビジネスから目が離せない。

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