元外務省要人外国訪問支援室長、松尾克俊被告の機密費詐取事件の捜査に端を発した「外務省サミット汚職疑惑」の摘発がいよいよ大詰めを迎えている。警視庁関係筋によると、「汚職事件になり得るネタは五本ある。どこから着手しても大丈夫だ」といい、「元室長の個人犯罪」から、組織ぐるみの一大不祥事に発展する可能性が濃厚となりつつある。 警視庁関係筋によると、「警視庁の持ちネタ五本」の内容は、松尾被告が九州・沖縄サミットで採用した通訳業者から現金一千万円弱を受け取っていたとされる疑惑、同サミット準備事務局幹部ポストにいたノンキャリア三人がそれぞれ異なる納入業者から金品や接待を受けていたとされる疑惑、キャリア幹部の現金受領疑惑。いずれも沖縄サミットに絡んだものだという。「捜査二課は参院選態勢下でも約百人の汚職捜査員をこれら五ルートの解明にあてており、選挙に縛られない態勢で動いています。七月中にも第一弾の汚職が摘発されるとみられます」(警視庁担当記者) 田中外相との「バトル」に疲弊する外務官僚。新たな不祥事摘発は外相の追い風となる可能性もあり、政局にも影響を与えそうだ。

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