ペルーの獄中にいるモンテシノス元国家情報部顧問が暗殺の恐怖に脅えている。リマの消息筋によれば、モンテシノス暗殺を真っ先に狙っているのは、コロンビアの麻薬マフィア組織。同組織はフジモリ政権の黒幕だった元顧問と、コカイン密売で強い結びつきがあり、今後のペルー当局の取り調べでヤミ取引ルートなどが暴露されることを恐れ、「口封じ」のため、ヒットマンを既にリマに送り込んでいるという。 元顧問が隠し持っていたビデオに新たに登場しているといわれるペルー元軍人らも暗殺の機会をうかがっているほか、フジモリ政権下で徹底的に弾圧された「センデロ・ルミノソ」(輝く道)や日本大使公邸人質事件で人質解放の際に仲間を殺された「トゥパク・アマル革命運動」(MRTA)も「死の報復」を誓う秘密指令を出したとの情報もある。 元顧問が収監されている海軍基地の特別刑務所にはこれら極左ゲリラ幹部や麻薬マフィアが多数拘置されており、「内部は危険でいっぱい」(リマの治安当局筋)だという。元顧問が別の刑務所への移送をしきりに要求しているのも、このあたりの事情が絡んでいるためとの見方もある。

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