西暦二〇〇五年、ブロードバンド通信は大競争時代を迎えているのか――未来を決める「通信戦争」が始まる。 ブロードバンド(広帯域)通信に経営資源をつぎ込むNTTと、通信分野への競争政策導入を図る総務省の「十五年戦争」が新たな局面を迎えた。 NTTが民営化された一九八五年から九九年の分割まで、NTTと旧郵政省が繰り広げた抗争は「十五年戦争」と呼ばれる。NTTドコモへの出資制限などで“戦後処理”がいまだ続くなか、NTTは自ら敷設する光ファイバー網を使ったブロードバンド通信の普及をめざして走り出した。一方総務省は、NTTの業務範囲の拡大につながると難色を示している。「光ファイバーなどのブロードバンド通信網が普及するかどうかは、一にも二にも中を流れるコンテンツがカギを握っている」――。六月十八日、NTT西日本の上野至大副社長はエフエム東京との共同記者会見でこう語った。この日、両社はブロードバンド通信向けコンテンツの制作・配信会社を共同で設立することを発表、新会社はNTTが七月からサービスを始めた光ファイバーを使ったインターネット接続サービス「Bフレッツ」の利用者向けに音楽ライブや映画情報などのエンターテイメント番組を配信する。

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