インドネシアの第五代大統領に選出されたメガワティ大統領に対して、中国系インドネシア人とシンガポール華僑から莫大な資金提供があり、またシンガポール政府も積極的な支援に乗り出す姿勢を見せていることが明らかになり、日本政府関係者をあわてさせている。 メガワティ大統領は、副大統領時代に「健康診断」と称してシンガポールを度々訪問。七月二十三日の大統領就任以降も、これまでに駐ジャカルタのシンガポール大使とすでに二回会談している。消息筋によると、シンガポールを訪れた際、華僑財閥と密会して「政権奪取後の資金援助の確約を得ることに成功した」とされており、就任後のシンガポール大使との会談も、この資金援助に関するものだという。シンガポール政府からの経済援助についても、水面下で交渉が進んでいる模様だ。 一方、最大の支援国である日本は、大使が思うように大統領に面会できず、九月に予定される訪日の際に日本政府が表明する予定の新たな支援策に関する事前協議もできていない状態。「このままでは、スカルノ政権以来の太いパイプが切れ、支援の主導権をシンガポールに奪われる」との不安が高まっている。

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