民族系元売りの最大手、日石三菱が米メジャー、エクソンモービルと日本国内で対決姿勢を強めている。日石三菱は、エクソンモービル系のエッソ、モービル、ゼネラルの各ブランドのガソリンスタンドに対するガソリン、軽油をはじめとする商品のバーター供給などの協力を、全国レベルで一切打ち切る方針だ。 その意図は明白で、「敵側のコスト削減に協力するつもりはない」(日石三菱関係者)ため。第一弾としてグループの石油精製会社・東北石油(仙台市)からモービルブランドのガソリンスタンドに供給していた製品の出荷を、契約が切れる来春に停止する。その他、西日本や北海道などで残るバーター契約も延長しない方針だという。 エクソンモービル系は、国内石油業界の再編劇を一気に加速するきっかけともなった昨年の大統合の後、日石三菱を押しのけて「国内製品市場の実質的なプライスリーダー」(業界関係者)になっており、日石三菱は地位奪回に躍起となっている。一方のエクソンモービル系はコスト競争力では群を抜くが、合理化を徹底しているため、他社との物流協力は不可欠。日石三菱から売られた喧嘩にどう対応するか苦慮している。

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