サウジアラビア出身の富豪で国際テロの黒幕とされるオサマ・ビン・ラディン配下のテロリスト・グループが、中東もしくはアジアで大がかりなテロを計画しているとの情報がある。 米国務省はラディンと関係のあるグループがアラビア半島で反米テロを計画している兆候があるとみて、同半島に滞在する米国人や米国の施設に警戒を呼び掛けている。だが、パリの国際治安筋によれば、ラディン一派はむしろ、警備体制が比較的手簿なアジア地域の米国やイスラエルの施設を狙っている可能性が強く、マニラや東京の米国大使館が標的にされる恐れもあるという。 同筋は、六月にスペイン南東部のアリカンテで逮捕されたイスラム過激派のテロ組織「メリアニ」の幹部の供述などから、こうした情報を入手したとしている。メリアニはラディンと密接な関係を持つ組織。 ラディンらの動きに関する情報が新たに流れたのは、ニューヨーク連邦地裁で五月末、九八年のケニア、タンザニアの米国大使館爆弾テロ事件の被告四人に殺人罪などで有罪評決が下されたころからで、同筋は、この裁判の上級審での行方次第でテロ計画が実行に移されるのではないかとみている。

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