強硬路線へ再転換したタリバン

執筆者:2001年8月号

 柔軟路線に大幅転換するのではないかと見られていたアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが再び、強硬路線に逆戻りする傾向を強めているようだ。 カブールの外交筋によれば、タリバン指導部は七月に入り、インターネットの国内での使用について「反イスラム宣伝のために使われる可能性がある」などとして禁止したほか、アフガン女性が国内の行楽地に行くことを禁じる命令を出すなど、相次いで厳格な措置を打ち出した。 さらに八月には、ドイツ、英国、オランダのほか国連の世界食糧計画からの支援を受けた難民支援の非政府組織(NGO)グループのメンバー二十四人の身柄を拘束したうえ、同グループの事務所を閉鎖。この二十四人のうち八人は外国人で、タリバンの宗教警察は「キリスト教徒の外国人が自分たちの宗教を宣伝し、イスラム教を冒涜した」と非難、即時国外追放処分にしたという。 証券取引所の開設計画や新投資法の発表など外国への門戸開放に転換する兆しも見せていたタリバンがここにきて後退姿勢をとっている点について同消息筋は「指導部内で再び、排外主義の強硬派が台頭してきたため」と分析している。

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