知的格闘の二日間

執筆者:梅田望夫2001年8月号

 八月一日(水)。午前四時半起床。勉強。午前九時より、パロアルト市のパシフィカ・ファンド事務所で、パートナー会議。岡本行夫さんの訪米スケジュールに合わせて、私たちは八週間に一回、集中的な議論を二日間にわたって行なう。今日はその一日目。 最初の議題は、昨年八月に投資したベンチャーの次期資金調達ラウンドに参加して追加投資を行なうか否かについて。パートナーのティムより、そのベンチャーの事業の進捗、次期資金調達ラウンドへの参加条件ごとの分析について、詳細なスプレッドシートを使っての説明がある。約一時間の議論の末、二十五万ドルまでの追加投資枠を設定。続いて、パートナーのヒマンシューより、現時点で投資先最終候補リストに残っているベンチャー六社の概要説明。岡本さんより、中国・珠江デルタ地域勃興の現実や、中国経済の将来についてのブリーフィング。 午前十一時四十五分。香港生まれの若き「女性起業家の卵」来訪。一緒にランチ。彼女はスタンフォード・ビジネススクールを卒業したばかり。将来の夢はシリコンバレーと中国を結ぶ起業である。若い世代のチャイニーズの目の輝きが違ってきた。最近強くそう感じる。 午後一時半より、投資候補企業三社が二時間おきに来訪。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。