日銀から「担保不適格」と烙印を押されたらどうなる……CP(コマーシャルペーパー)オペで選別が始まったのか。 ある大手都銀の首脳が、とうとうここまできたか、という面持ちで語る。「つい先だって日銀から、大手ゼネコン三社の例を挙げて、『今後、たとえこうした企業が発行したCPであっても、それを引き受けるにあたっては、厳格な審査をさせていただくことになる』という“通告”を受けた」 ここで言うCPが、事業会社の資金調達に重要な役割を果たしている手形の一種、コマーシャルペーパーの略称であることは、改めて説明するまでもないかもしれない。 このコメントの持つ意味は、極めて衝撃的だ。引き受けるにあたって「厳格な審査をする」ということは、例に挙げられたような大手ゼネコンが発行するCPであっても日銀が引き受けない可能性がある、と暗に宣言されたに等しいからである。「日銀の挙げた会社は、いずれも日本を代表するスーパーゼネコンだった。そうした企業のCPの引き受けが不可能ということになれば、どのゼネコンのCPの引き受けも不可能となってしまう」(同前)問題となる「発行者の信用力」 現在、日本銀行は、金利メカニズムを通じて経済全体の通貨量や金利に影響を与えていく、というスタンスをとっている。今回問題となっているのは、“資金供給のオペレーション”と呼ばれるもので、日本銀行が国債やCPなどを買い入れたり、国債を借り入れて担保金を差し入れたりする公開市場操作を指す。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。