プーチン・ロシア大統領によって事実上、海外亡命生活を余儀なくされている政商ベレゾフスキー氏の反撃が始まるかもしれない。 モスクワの消息筋によれば、ベレゾフスキー氏は、プーチン大統領がかつてロシア犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)を請け負う不動産開発会社にかかわっていたとの有力な証拠をつかみ、これを材料に大統領追い落としの攻勢に転じる構えだという。 同筋が言う不動産開発会社は、プーチン氏がまだサンクトペテルブルクの第一副市長時代の一九九〇年代初めにドイツとの合弁で設立されたものだが、最近、ドイツ捜査当局の調べでロシア・マフィアのマネーロンダリングや密輸、麻薬取引を行なっていたことが発覚した。プーチン氏は大統領に就任する昨年五月直前まで同社顧問のような存在で、極めて強い結びつきがあったといわれる。 ベレゾフスキー氏がどうやってこの情報を得たのか不明だが、ロシアのマフィア組織から入手したとの説が有力。一方、プーチン大統領は「ベレゾフスキー氏との秋の陣を覚悟し側近と対抗策を練っている」(同筋)という。

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