陸上自衛隊はゲリラや正規軍の特殊部隊に対処するため、新たに「特殊作戦部隊」を編成する。規模や部隊の配置は「検討中」とされるが、数百人規模で千葉県習志野市の第一空挺団に置かれる可能性が高い。 一昨年三月に起きた北朝鮮の工作船事件で、初めてゲリラ活動の実態に触れたのが新編のきっかけ。海上自衛隊は既に八十人の乗り込み専門「特別警備隊」を設立し、広島県江田島町で訓練を開始している。 陸自の特殊作戦部隊で注目されるのは、その武器類。陸自は具体的な品目を伏せているが、調べによると、まず対人狙撃銃を六十四丁購入する。欧州製で有効射程は五百メートル。そのほか、サイレンサー付拳銃、散弾銃、閃光手榴弾など自衛隊にはなかった特殊武器がずらり。潜水器材や落下傘降下用ナビゲータも購入し、水中や上空から隠密裡に接近しての奇襲攻撃を可能にする。 陸自幹部は「米陸軍のグリーンベレーのような特殊部隊を目指す」と話すが、問題は平時に出動する権限が自衛隊にないこと。陸自幹部は「平時に出動する『領域警備』の概念を理解してほしい」と語る。ただし領域警備が認められない場合でも「都市ゲリラ対策は有事にも有効」として部隊編成は予定通り行なわれる。

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