過去十四年以上にわたり米国の金融政策を牛耳ってきた連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長が来年夏ごろ退任するとの観測が浮上している。 同議長をめぐっては今年七月、年初来の一連の利下げにもかかわらず景気低迷が続くため、辞任説が市場関係者の間で飛びかった。だが、米有力金融筋は「史上最長の米景気拡大の最大の功労者と称賛されたことを誇りとしているグリーンスパン氏が景気回復前に辞任することは百パーセントあり得ない」とし、最近同氏が米NBCテレビの記者をしている夫人を含む内輪のパーティーで「来年夏には妻とゆっくりバカンスを楽しんでいるだろうと漏らした」と明かす。同筋によれば、これはグリーンスパン氏が景気が本格的に回復するのを待って来年夏に退任する腹づもりであることを明確に示す発言と受け取れるという。 また、ホワイトハウスの有力消息筋は「グリーンスパン議長はブッシュ大統領に、自分の後継者をそろそろ探してもらった方がいいと語ったとの確かな情報がある」と指摘している。同議長も既に七十五歳と高齢でもあり、体力的限界を感じ始めているのも事実のようだ。

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