東ティモールの制憲議会選挙(八十八議席)の開票作業が終り、予想通り東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が過半数の五十五議席を獲得したが、憲法案採択に必要とされる六十議席には届かなかった。 選挙を実質運営した国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)は、フレティリンの一党独裁状態を回避できたと安堵するが、独立運動の中心的存在だったフレティリン内部からは不満の声が上がっている。 というのは、デメロ代表を中心に、UNTAETには早くから「フレティリンが六十議席以上を獲得すると反UNTAETの国造りが進む」との懸念があり、投票前になってフレティリンと距離を置く独立運動の最高指導者シャナナ・グスマン氏に大統領選立候補の会見をさせるなど、露骨な干渉を始めていたからだ。 UNTAETは、インドネシアに対する姿勢だけでなく、インドネシア領西ティモールに残留する併合派武装民兵らの帰還、処罰問題でも柔軟な姿勢を示すグスマン氏をなんとしても初代大統領に据えたい意向。国連主導の国造りに反発し、「独立は東ティモール人自身の手で」と訴えるフレティリンとの対立は日増しに激しくなっている。

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