地方交付税削減に抵抗する総務省と、主計局の「予算配分の不文律」を変えるつもりがない財務省。「どっちもどっち」の巨大官庁の対立が、構造改革を危うくする。 小泉政権が、国の来年度予算編成の指針として示した「骨太の方針」。国債の発行額を三十兆円以下に抑えるとの公約を実現するため、公共投資の大幅な抑制や社会保障費の圧縮、地方自治体に配分する地方交付税の削減など、歳出見直し策を打ち出した。 しかし、これらは財務省が大蔵省時代から主張していた財政緊縮策を踏襲したに過ぎない。このため、予算を削られる側の省庁は、「一連の大蔵スキャンダルで影響力の落ちた財務省が、小泉人気に便乗して復権を図っている」との警戒感を強めている。特に、二〇〇二年度概算要求ベースで十八兆円を超える地方交付税の配分権を握る総務省が、交付税削減の動きに強く反発しており、政権の足元を揺るがす内輪もめに発展しかかっている。 地方交付税とは、都道府県、市町村などの地方自治体に対し、行政サービスに必要な財源として、国が配分する資金のこと。「地方自治」である以上、自治体の行政サービスにかかる費用は、住民税や法人事業税、固定資産税といった地方税で賄うのが原則だ。

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