「当行は全紙幣に真贋検査を実施。安心してご利用下さい」という告知が、台北市内の銀行や郵便局の自動支払機には貼られている。 台湾ではこの夏以降、偽造紙幣の氾濫が社会問題化、九月下旬には台北市内で一日平均六十枚、多い時で百枚以上のニセ札が見つかった。十月四日には台北市内で大規模な紙幣偽造集団が摘発され、その供述から数百万元分の流出が明らかになった。翌五日には台中県で硬貨の偽造工場が摘発され、これまでに一千万元あまりが市場に流入しているという。このほかに日本円や香港ドル、大陸の人民元などの偽造を手がけるグループも摘発されたほか、中国製のニセ札の存在も噂されている。 偽造通貨は高精度の物も多く、専門家でも即時判別は因難だという。張俊雄行政院長(首相)は、銀行の自動支払機でニセ札を受け取った市民は、明細と引き換えに賠償請求が可能と言明、中央銀行も偽造紙幣追放専門チームを発足もせるとともに、市民への判別指導を強化、さらに各銀行に紙幣判別機器の全面導入を指導している。市民の間でも自衛意識が高まっており、“ニセ札判別蛍光ペン”“ニセ札判別機”などの売れ行きも上々だという。

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