米国の同時多発テロの主犯とされるオサマ・ビン・ラディンのテロ組織アル・カエダの新たな有力資金源として、密輸ダイヤの取引が欧米各国捜査機関に注目されている。こうしたダイヤの大半は西アフリカのシエラレオネの反政府勢力、革命統一戦線(RUF)が採掘し、「紛争ダイヤ」とよばれる。 アル・カエダ幹部がRUFとつながるダイヤ取引業者と接触していた事実が、米連邦捜査局(FBI)や英国の諜報機関MI6の調査で確認されている。アル・カエダは、この業者を通じた特殊なルートで市価よりも安く密輸ダイヤを買い取り、欧州で販売して巨大な利益を上げていた。過去三年間に数百万ドルの資金を得ていたとの情報もある。 アル・カエダは、同時テロ後に各国にある関連組織の銀行口座が凍結されると予測。テロが具体的な実行段階に入った七月から、隠し持つことが簡単で資産価値が安定し、取引経路が追跡しにくいダイヤを資金調達の重要な手段に位置付けていたとされる。アル・カエダの資金源は麻薬や財テクなど多岐にわたるが、各国の捜査機関の締め付けが格段に強化されたため、ダイヤ取引への依存度がさらに高まっているという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。