「抵抗が強くなればなるほど、闘志が湧いてくるんだよ。抵抗、反対こそ私の改革の原動力だ。抵抗、反対、結構」 小泉純一郎首相は十月二十五日、就任半年の感想を求めた記者団に構造改革断行の決意をあらためて強調し、「反対が多いでしょ。反対が多くなってきたということは、手ごたえが出てきたんですよ」と余裕たっぷりに解説して見せた。小泉改革が実現に近付いているから反対派が慌てているのであり、政府与党内の反対論、慎重論の高まりは悲観材料ではない。そんな、強気の首相らしい解説だった。 その当否は別にして、テロ対策特別措置法(十月二十九日成立)が衆院特別委員会で可決された十月十六日以降、与党の関心が急速に「テロ」から当面の景気、雇用対策、そして特殊法人改革をはじめとする小泉改革の行方に移り、首相への風当たりが日々強くなっていたのは事実だった。 そうした中で首相は十九日、臨時国会に提出する二〇〇一年度補正予算案の総額を三兆円程度にとどめ、国債発行三十兆円枠を守ることを決定。二十六日には雇用対策の充実と不良債権処理などの構造改革の加速を目指す「改革先行プログラム」を発表する。与党内の公共事業積み増し要求に耳を貸すつもりはない、とのメッセージだった。

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