経営破綻を来した青木建設で巨額の資金が消えていたと聞いても、竹下銘柄とまで呼ばれたゼネコンだけに、意外さはない。だが、その総額が百億円単位にのぼり、不透明な資金流出を示す資料も存在する――となったら、どうだろう。 実は、バブルの崩壊が明確になった九〇年代中ごろ、主要取引銀行のひとつが、青木建設の財務内容の洗い出しを行なったことがある。当時すでに青木は典型的な不良債権企業。作業は徹底的なものになったが、青木単体から連結子会社を含めた連結ベースまで資金の出入りを洗い出しても、辻棲が合わない。最終的に、株式保有率が二〇%以下で連結決算の対象にならない内外の関連会社までを囲い込んだ“拡大連結”ベースで突き合わせたところ、莫大な額の資金がグループの外部に流出していたことが、ほぼ確定したのだ。 その額は八〇年代後半からの約十年間で、実に四百億―五百億円。青木建設の負債総額が五千億円、九九年受けた債権放棄が二千億円だから、闇に流れた資金の大きさがわかる。 流出先については「マル政やマル暴であることが予想された」(関係者)ので調べず、会計関連の調査結果もお蔵入りになったという。

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