テロ組織、アル・カエダの一派が、アフリカで恐れられているエボラ出血熱を、欧米で蔓延させようと画策している可能性が出てきた。エボラ出血熱のヒトへの大量感染は、これまで十回以上アフリカで起きている。二〇〇〇年にはウガンダで約二百人が死亡したほか、昨年十二月からはガボンやコンゴで再び大流行の兆しが見えてきた。 ガボンに駐在する世界保健機関(WHO)関係者によると、昨年暮れ、エボラ熱の感染者が大量に確認された同国オグーエイビエンド州で、検査の結果、陽性反応が出た数人の女性が行方不明になった。その後の調査で、スーダンに拠点を置く親アル・カエダ組織のメンバーとみられる男たちによって連れ去られたことがわかったという。 この情報はCIA(米中央情報局)も把握。テロ組織が感染者とみられる女性たちの身柄を米国か欧州に移し、エボラ熱感染者の拡大を狙ったとみて、関係各国に捜査協力を要請した模様だ。エボラ出血熱は早期発見が困難なうえ、発症者の致死率は九割にも及ぶ。ウイルスによって感染するが、感染力が強く、米国で大騒ぎとなった炭疽菌よりも防止はさらに困難とされるだけに、米政府は懸念を深めている。

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