インドのバジパイ首相は、昨年十二月十三日のイスラム過激派組織によるインド国会襲撃事件直後、背後で糸を引いていると目されるパキスタンへの核先制攻撃をいったん決断、米国の説得によって断念したという情報がある。 ニューデリーとイスラマバードの消息筋によると、インド軍情報機関は国会襲撃事件の主要犯行組織がパキスタンに本拠を置くイスラム過激派「ラシュカレトイバ」であるとの証拠を事件発生後の早い段階でキャッチ、首相に報告した。 バジパイ首相は一部閣僚と軍幹部が出席した四日連続の秘密会議で協議した結果、核の先制攻撃により軍事報復が不可能なまでにパキスタンを叩くことができるとの進言を得て、いつでも攻撃命令を下せるよう、七十二時間以内の準備完了を指示したという。 この情報が正しければ、核攻撃について米国など主要国の理解が得られるという読みに基づく判断ということになるが、さすがにそれは無理な話。インド軍の異常な動きを察知した米情報機関からの緊急連絡を受け、ブッシュ米大統領が同首相に急遽電話をかけ、長時間の説得の末に思いとどまらせたと消息筋は伝えている。

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