約三万七千人の米兵が韓国に駐留しているが、その家族が今年に入って次々帰国しており、朝鮮半島の軍事緊張の高まりと関係があると防衛庁関係者の関心を呼んでいる。 ブッシュ米大統領は一般教書演説で、イラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、北朝鮮への対決姿勢を鮮明にしたばかり。米里高官は「北朝鮮は昨年以降、軍の南下を進め、非武装地帯(DMZ)周辺への軍事力を一段と強化している」とし、韓国の宥和政策とは裏腹に、軍事緊張が高まっていると指摘した。米朝関係悪化の中での在韓米軍の家族の帰国は、何らかの軍事緊張が迫っている兆候とみる向きもある。米軍はアフガニスタン攻撃でも使用したB1爆撃機を在韓米軍に配備している。北朝鮮軍は近く、定例の冬季演習を全土で実施する予定で、軍の動きが注目される。 北朝鮮が核査察を拒否した一九九四年の核危機の際も、米軍は在韓米軍家族の一時帰国措置を取ったが、当時のペリー国防長官は退任後、米軍が北の核施設空爆を検討していたことを認めた。 一九九九年からの北朝鮮のミサイル試射凍結も来年解除されるだけに、朝鮮半島は一転して対決コースを歩む可能性がある。

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