外務省にとっては“やっかいな存在”だった。しかし、それこそが実は彼の力の源泉だったのだ。田中真紀子や鈴木に振り回された“ひ弱”な外務省に真の改革はあるか。 アフガニスタン復興支援会議へのNGO(非政府組織)出席拒否問題は、田中真紀子外相と、鈴木宗男衆院議院運営委員長、野上義二事務次官の三人全員が更迭される形で幕が引かれたが、結局、田中と野上のどちらがウソをついたのか、そして、この問題に鈴木は関与したのか、真相はいまだ藪の中。前代未聞の更迭劇の背景には、いったい何があったのか。 田中と野上の証言の対立については、政府・与党内で直後から「田中外相がウソをついている」との見方が強まった。田中は一月二十四日の衆院予算委員会での答弁で、「野上次官は二十四日の外務省幹部との打ち合わせの席でも鈴木氏の関与を認めていた」と述べたが、自民党国対が同席者に事情を聴いた結果、そうした発言はなかったことが確認されたからだ。 さらに田中は、野上や重家俊範中東アフリカ局長との電話の内容を、民主党の菅直人幹事長からの申し入れ書にメモしたとも証言したが、野上らへの電話が二十一日午前だったのに対し、菅からの申し入れが同日午後だったことから、答弁の矛盾が明らかになった。

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