航空自衛隊のF2支援戦闘機(旧FSX)に新たにレーダーの欠陥が見つかり、防衛庁から「失敗作」の声が聞こえ始めた。F2はF1支援戦闘機の後継機として日米共同で開発された。一体成型複合材の主翼やフェーズドアレイレーダーといった日本独自の技術を盛り込んだ意欲作だったが、まず地上での強度試験で主翼に亀裂が入る。水平、垂直尾翼にも問題が見つかり、横転性能など戦闘機として必要な能力にも疑問符がついた。そして今度はレーダー。操縦士は「肉眼で見えるまでレーダーに映らないことがしばしばある。まるで役に立たない」とあきれる。 飛ぶだけなら一級品というが、空中戦から地上攻撃、艦隊攻撃にまで使うマルチ戦闘攻撃機としては「駄作」。防衛庁の元幹部は「米国では戦闘機の開発に一機八千億円もかけるのに、F2は三千三百億円。米国に吹っ掛けられた分を差し引けば二千八百億円ぐらいで造った。予算不足でした」と反省。 F2は一機百二十億円。防衛庁は百三十機を生産する予定で、受注企業の三菱重工業は「近く退役するF4EJ改戦闘機の後継に」と追加建造を求める構え。税金の無駄遣いを許してはならない。

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