ブレア英首相が与党労働党の支持者による外国企業の買収を陰で支援し、その見返りに多額の献金を受け取っていたという“口利き”疑惑が浮上している。 ロンドンの消息筋によると、英国在住のインド人実業家が昨年七月、ルーマニア国営製鉄会社を三億ポンド(約五百三十億円)で買収することに成功したが、この買収話の重要条件だった欧州復興開発銀行(EBRD)の融資獲得のため、ブレア首相が英国出身のEBRD理事を通じ同行に圧力を加えた可能性がある。 さらにブレア首相はルーマニア政府に対し、同国営製鉄会社の譲渡先をこのインド人実業家の経営する会社とするよう個人的な書簡を出したともいわれる。 このインド人実業家は労働党の長年の支持者で、昨年六月の英総選挙の際、十二万五千ポンド(約二千二百万円)を同党に献金したことも判明しており、これが事実上の“口利き”料だった疑いが強まっているという。 ブレア首相側近らは「首相にやましいところは一切ない」と強気の構えだが、野党陣営の追及次第では窮地に追い込まれる場面も予想される。

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