旧ソ連共産党の後身であるロシア共産党が、下院ですべての委員長ポストを失い、目を覆わんばかりの凋落ぶりを見せている。共産党支配は既に「過去の遺物」とはいえ、ロシアでは依然として議長ポストも握る下院第一党だけに、世代交代による「ニュー共産党」への脱皮を迫られている。 共産党はこれまで、経済委員会など主要な九委員会で委員長ポストを確保していたが、プーチン政権の与党の「統一」などが、ポスト再配分の決議を仕掛け、これに改革派が乗った形で四月三日に決議が採択されてしまった。この結果、共産党に残されたのは、観光委員会などわずかに二委員会の委員長職だけ。誇りを傷つけられたジュガーノフ共産党委員長は、これら二ポストの放棄と、「影の内閣」の設立を宣言し、政権との対決姿勢を鮮明に打ち出した。 プーチン政権下での共産党は、大統領がKGB出身という「相性」の良さもあり、政権との全面対決は避けてきた。しかしここにきて、経済改革が土地売買の自由化など共産主義者の逆鱗に触れる段階に差し掛かったため、大統領の側が「過去の遺物」である共産党の整理を始めたとの見方もある。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。