警視庁公安部外事一課が三月末、元航空自衛隊員から米国の軍事情報の入手を図った元在日ロシア通商代表部幹部を書類送検したが、これに対してロシアの連邦保安局(FSB)が報復措置を検討しているという。 エセ親露派・鈴木宗男衆院議員の凋落でとにもかくにも日露関係は悪化しており、相互の追放合戦に発展する可能性がある。消息筋によれば、ロシア側は報復として、日本の外交官や武官よりも、日本人特派員をターゲットにしているとの情報がある。ムネオ疑惑では、あたかもロシアが鈴木議員と組んで悪事を働いていたかのような報道が目立ち、ロシア側は苛立っていた。特派員を追放すれば、日本の報道機関への警告にもなる。 ロシア側が報復措置を取るかどうかがプーチン政権の今後の対日政策を占うバロメーターとなるが、FSBなど情報機関が対抗措置を強く求めている様子だ。 一方、警視庁はロシア人が絡む二件のスパイ事件を新たに捜査中で、摘発可能な態勢にあるとされる。だが、相互追放が繰り返されれば日露関係が一段と冷え込むだけに、新たな摘発の可否は首相官邸が判断するとみられる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。