五月八日午前、パキスタン南部の都市、カラチで同国海軍がチャーターしたバスに爆弾を積んだ車が突っ込み、バスの乗客十人以上が死亡した。捜査当局は、アフガニスタンのタリバン政権を見限ったムシャラフ政権に対する反政府テロとの見方を強めている。 死者のうち少なくとも九人はフランス人で、それもパキスタンがフランスから購入した潜水艦建造の技術者。軍事技術を巡る事件の可能性も出てきて、捜査当局の緊張が一気に高まった。 パキスタン海軍は昨年、参謀長が潜水艦への「核弾頭搭載ミサイルの配備計画」に言及。軍事的、政治的に対立を続けているインドは警戒感を強め、潜水艦に関する情報収集に躍起になっている。 死亡した仏人技術者が実際にどのような支援をしていたかは明らかでないが、フランスは核保有国。インド軍筋は「核ミサイルの潜水艦搭載に関係する技術者」とみる。 西側軍事筋では「反政府組織=タリバンあるいはイスラム過激派という図式ではなく、インドという要素を考慮すべき」と、慎重な姿勢ながらインド情報機関の関与を示唆する声も出ている。

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