千葉県八千代市立萱田小学校

執筆者:草生亜紀子2002年6月号

校庭の一角に「牧場」を作り、ポニーを飼っている公立小学校がある。そこには、子どもたちにとってのメリットのみならず、新興住宅地の「ふるさと作り」という意味合いもあった。「動物園みたいな学校がある」――そう聞いて、千葉県八千代市にある市立萱田小学校を訪ねてみた。 東京都心から電車で五十分。八千代中央駅を出ると、学校までの道の両脇には新しい家がゆったりと並んでいる。典型的な東京のベッドタウンだ。 駅から六、七分で学校に着く。「光の門」と呼ばれる校門を通って敷地の奥に進むと、そこに「牧場」があった。始業前、一頭のポニーが、当番の男の子が運んできた干し草を静かに食んでいる。その先の小山「ぼうけんの丘」では、四頭のヤギが斜面の牧草に鼻先を埋めていた。 そのほか萱田小学校には、羊、アヒル、合鴨、ウサギ、ニワトリ、烏骨鶏、うずら、亀、ハムスター、パンダマウス、川魚、小鳥などがいる。あわせると、十六種類百六十匹ほどにもなるという。 ウサギやニワトリはともかく、ポニーのいる小学校というのは、かなり珍しい。制約が多いであろうと思われる公立学校で、いかにして「動物園のような小学校」は誕生したのだろう?動物飼育の大きな役割

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