“薩長連合”は実現するのか

執筆者:2002年6月号

 ゴールデンウィーク中の五月三日夕、鳩山由紀夫民主党代表は長野県・軽井沢町の別荘に小沢一郎自由党党首を招き、夕食会を開いた。 三月下旬に全日空ホテルの中国料理店で開かれた自由党全議員懇談会に招かれた返礼との名目だったが、鳩山氏のホストぶりにはただならぬものがあった。新幹線で軽井沢駅に到着した小沢氏をホームで出迎えたうえ、自ら運転する車の助手席に乗せて別荘へエスコート。料理も、肉食を控えている小沢氏に配慮して腕自慢の幸夫人に、野菜中心の手作りの和食フルコースと秘蔵の七二年もののワインを用意させていた。 裃を脱いで腹を割った話をしようという演出だろう。民主党から同席させた小沢鋭仁代表室長、島聡・同室次長の側近議員二人に、鳩山氏はノーネクタイのカジュアルな服装で参加するよう指示。スーツ姿だった島氏をわざわざホテルに着替えに戻らせる徹底ぶりを見せた。殺し文句は「鳩山総理」 鳩山氏にとって、小沢氏は自民党旧竹下派時代の大先輩。年齢は鳩山氏五十五歳、小沢氏五十九歳とさほど開きはないが、当選回数は鳩山氏五回に対して小沢氏十一回。鳩山氏が当選一、二回の若手議員に過ぎなかった旧竹下派時代、会長代行の小沢氏は声を掛けてもらうだけでありがたい存在だった。しかし、そうした過去の経緯は最大級のもてなしの一因に過ぎなかった。

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