中国で乗用車「アコード」を売りまくって快進撃を続ける本田技研工業の現地日系部品メーカー責任者たちが、このほど、合弁工場のある広州に集められた。極秘を条件に伝達されたのは、スペース効率に優れたミニ多目的車「フィット」の中国での生産計画で、部品メーカーもそれに向けて準備を進めるよう指示がなされたという。 広州ホンダは現在、絶好調。今年三月一日には創業以来十万台目のアコードの生産を達成。多目的車「オデッセイ」も売り出し、今年は年間で五万五千台の売り上げを目指している。こうした快進撃は中国の乗用車生産・販売史上ではなかったことで、貪欲なホンダはこの勢いに乗って中国の自動車市場を制覇すべく、小型車部門への進出を決意した。だが、これによって大打撃を被りそうなのが皮肉にも同じ日本勢のトヨタだという。 天津トヨタは今年十月、小型乗用車「ヴィッツ」「プラッツ」をモデルとする新型車を中国で発売するが、価格、排気量、用途、燃費などからみて、フィットが売り出されれば、天津トヨタの新型車の最も強力なライバルになることは確実。ホンダは中国でもトヨタにとって目の上のタンコブだ。

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