ペルーの景気低迷が長引くなか、トレド大統領に対する国民の支持が急激に低下しつつあり、予想された通り、フジモリ前大統領の政界復帰を望む声が高まる兆しが現われている。五月下旬に最有力紙「エル・コメルシオ」が行なった世論調査結果によると、トレド大統領の支持率が二二%に落ち込んだのに対し、「フジモリ氏を信頼する」との回答が二三%と上回り、「フジモリ待望論」が出始めていることが示された。 昨年六月の大統領選決選投票で五三%の得票率で当選したトレド大統領だったが、今年に入り支持率が目に見えて低下、最近では二〇%強の水準を保つのがやっと。別の世論調査ではトレド不支持は七〇%にも達している。有効な経済回復策を示せない上、公約に掲げていた雇用創出や貧困解消でも、これといった施策が打ち出せないことが人気急落の原因。 一方、フジモリ氏の人気は貧困層の間で今なお高く、支持率は四〇%近いとの見方も。リマの消息筋は「フジモリ氏の経済政策への評価は依然高く、景気低迷がさらに続くようだと貧困層を中心に本格的な『フジモリ待望論』が湧き上がる可能性が十分ある」とみる。

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