ソニーがインターネット接続業最大手で富士通の子会社「ニフティ」の買収を断念すると報じられたが、そもそも「ソニーの出井伸之会長が早大政経学部の後輩にあたる富士通の秋草直之社長に個人的にもちかけたのが発端だった」(ニフティ関係者)。ニフティの重要性を知る富士通の役員、OBたちが猛反対して売却を思いとどまらせたのが真相だという。「ソニーが買収へ」の記事が日経新聞の一面トップで報じられたのは昨年末。富士通やニフティ関係者には寝耳に水。調べると「ニフティの事情を何も知らない秋草氏が出井氏に非公式に打診され、何となくイエスと返事してしまった」(同)ことが判明した。秋草氏は悪化する財務状況の改善に期待したようだが、収まらないのがニフティを国内一のプロバイダーに育てた同社や富士通の関係者たち。秋草氏を説得、最終的にはソニーの買収予算が最大一千億円、富士通が一千五百億円と折り合いがつかないとの理由で白紙に戻した。この間、NECや東芝系四業者が包括連携して会員数一千万人のプロバイダーを結成、ソニーのソネット(会員数二百四十万人)は新たな提携先を求めることになった。

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