米軍が中央アジア、キルギスのマナス国際空港周辺に建設中の軍事基地が恒久基地となる様相を呈し、中露両国が警戒を強めている。 首都ビシケクから約三十キロの郊外にある同基地には、現在米軍部隊千数百人や戦闘機十数機が展開。米軍工兵隊が五キロ四方の広大な領域に、専用キャンプや兵器庫、情報施設を建設中という。もちろん領域内は治外法権だ。 将来は米軍第八十六緊急展開師団を中心に三千―四千人の部隊と米軍機約四十機が駐留するという。日本、韓国に続くアジアの米軍恒久基地となるかもしれない。 米、キルギス間の協定では当初アフガニスタン攻撃の後方支援基地として使用期限は一年だったが、協定は延長可能。経済が破綻状態のキルギスは、米軍基地受け入れの経済効果を評価し、長期駐留を容認する構えだ。 米軍はウズベキスタンのハナバードにも空軍基地を建設中で、印パから中東にかけての紛争地域をにらむ二大拠点ができつつある。キルギスの基地は中国国境から二百五十キロ。中央アジアでのプレゼンスを高めるだけでなく、「西部大開発」を進める中国に対する偵察基地ともなりそうだ。

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