米大統領夫人はこんな趣向を凝らした

執筆者:西川恵2002年9月号

 国賓として米国を訪問したポーランドのクワシニエフスキ大統領夫妻が、七月十七日、ブッシュ大統領夫妻主催の歓迎晩餐会に出席した。 国賓を迎えるのはこれが二人目となるブッシュ大統領がクワシニエフスキ大統領をひときわ重視したのは、ブレア英首相と並ぶ欧州の強力な同盟者だからだ。クワシニエフスキ大統領は、晩餐会に先立つ会見でも「テロリストには安全な避難地はない」と言い切った。英、独、露語を自由に操り、四十七歳と若く、ロシアの内情にも詳しい同大統領は、米国にとって貴重な存在なのだ。 ホワイトハウスは、細心の気配りで晩餐会を準備した。八人掛けの各丸テーブルには金糸と銀糸で文様を縫い込んだ豪華なダマスク織りのテーブルクロス。テーブル中央にはバラとガーベラの花でポーランド国旗の色である赤と白のコントラストを作った。園芸をたしなむローラ夫人好みのシンプルな演出である。メニューは次のとおりだった。 ブラックバスのレモンとバジル風味 チョウセンアザミと若カボチャのローストをトマトソースで 神戸牛フィレのスモーク 新鮮なコーンのポレンタにグリルしたマッシュルームと夏野菜をエシャロットソースで オレンジとアボカドのサラダ ポテトのタルトのカリカリ揚げをドレッシングで

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。